あなたは、資産形成でお金を殖やしていこうと思った時に、金利や利回りが最低どれくらいあればいいのか考えたことありますか?
現在の金利および利回りは、
・ 銀行預金は、0.001%~0.1%
・ 貯蓄型保険の運用だと、円建てだと0.5%程度。外貨建てだと良くて2%の利回り
・ 世界の平均株価へ投資をすると、世界の平均が6%の利回り
本記事では、
・ どれくらいの金利や利回りがあれば、資産は殖えていくのか?
・ 正しい金利の考え方はあるのか?
・ 預金や保険での資産形成の可能性はあるのか?
・ 資産が殖えていると言えるのは、年間2%以上の金利や利回りが必要。
・ 金利には、「名目金利と実質金利」があり、重要なのは「実質金利」である。
・ 年間2%以上の金利・利回りを期待できない「預金・保険」は、資産形成の運用の選択肢から外す。
これらについて解説していきます。
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日本の「銀行金利」と「保険利回り」の現状
日本のTOP BANKの預金の金利
まずは、超低金利と言われる日本の金利や利回りの現状について理解しましょう。
大手銀行(みずほ銀行、UFJ銀行、SMBC三井住友銀行)の普通預金の金利は、0.001%です。
これらの銀行に100万円を普通預金(金利0.001%)に預けると、
税金(20.315%)を引かれて、通帳記入されるのが8円となります。
つまり、100万8円が通帳に記入されていることとなります。
ちなみに、もう少し金利が良い定期預金に変えてみましょう。
大手銀行(みずほ銀行、UFJ銀行、SMBC三井住友銀行)の定期預金の金利は、0.01%です。
100万円を定期預金(0.01%)のところに預けると、税金が引かれて通帳記入される金額が80円。
合計100万80円となります。
超低金利の日本では、なんとなくお金は殖えていかないイメージができると思います。
日本の保険の利回り
貯蓄型の保険だと、円建ての利回りが0.4%程度です。
外貨建てだと良くて1~2%です。
「銀行金利より良いですね」とセールスされることがあると思います。
銀行預金も保険での貯蓄もお金自体は減ってはいないので、お金は貯まるかも知れないです。
しかし、本当に殖えているのかわかりません。
本当に殖えているかどうかを判断するには、物価上昇を考慮した実質金利を考える必要性があります。
金利には、「名目金利と実質金利」という言葉あります。
このことについて次に解説していきます。
金利の見方
名目金利

上の画像に金利が書いてあるのはわかりますか?
一番上に普通預金金利0.001%と書いてあり、その下に定期預金の金利が0.01%と書いてあります。
このホームページに載っている金利表は、当たり前ですが、ぱっと見てわかるものですよね?
ぱっと見てよくわかる見た目の金利の意味を表すのが、
「名目(めいもく)金利」といいます。
つまり、ホームページやパンフレットなどで案内がされている金利をよく目にすることが多いと思いますが、
あなたがよく見ている金利は、名目金利ということです。
この名目金利だけ見ていても、お金が貯まって殖えているのかどうかは、残念ながらわかりません。
なぜかというと、
この名目金利は、物価が上がることを一緒に考えていないからです( ;∀;)
次に、物価上昇を考慮した金利の考えた方についてお伝えします。
実質金利
経済政策によって、毎年物価を2%上昇をさせようとしている為、
お金が貯まって殖えているかどうかを判断するには、この「実質(じっしつ)金利」を理解する必要があります。
毎年物価が上がる理由については、こちらを参考にして下さい。
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どうして、物価上昇を一緒に考えていかなきゃいけないかというと、
お金は、人が物やサービスを手に入れる為に交換に使う道具だからです。
その為、定期預金、保険、投資信託などの運用で、
1年間に殖えるお金と、経済政策(インフレ)によって、1年間に上がる物価の比率を見なくていけません。
金利と物価を比べて見る
下の表では、
預金金利0.01%、保険の利回り1%、物価上昇2%で、
10,000円を預金と保険で運用するのと、10,000円の商品の物価上昇を見比べてみました。
預金や保険の年間に殖えるお金(金利)より、年間の物価上昇が勝っているので、
預金や保険で運用していると、
翌年には、10,000円で買えていた商品が買えなくなっています。
低金利で、10年間運用していると、買える物の数の変化を見ていきましょう。
ある年に「10,000円で、1000円の商品を10個買えました」
その年に10,000円を預金金利0.01%で運用開始し、1000円の商品は、毎年2%の値上がり(物価上昇)をしていきます。
10,000円を定期預金0.01%運用だと、年間に1円ずつ殖えます。
1000円の商品は、2%値上がりするので、年間に20円ずつ物価があがります。
定期預金で、10年間運用していると、買えるものの数はどうなるかをみた表です。
※ 金利・物価上昇率は、単利で計算しています。
運用 | 10,000円(預金金利0.01%) | 1000円の商品(毎年物価上昇2%) | 何個買えるか |
開始年 | 10,000円 | 1000円 | 10個 |
1年後 | 10,001円 | 1020円 | 9個 |
2年後 | 10,002円 | 1040円 | 9個 |
3年後 | 10,003円 | 1060円 | 9個 |
4年後 | 10,004円 | 1080円 | 9個 |
5年後 | 10,005円 | 1100円 | 9個 |
6年後 | 10,006円 | 1120円 | 8個 |
7年後 | 10,007円 | 1140円 | 8個 |
8年後 | 10,008円 | 1160円 | 8個 |
9年後 | 10,009円 | 1180円 | 8個 |
10年後 | 10,010円 | 1200円 | 8個 |
20年後 | 10,020円 | 1400円 | 7個 |
30年後 | 10,030円 | 1600円 | 6個 |
10,000円を預金金利0.01%、毎年物価上昇2%の経済状況で、
10年間、20年間、30年間運用していると、お金は、微々たるものではありますが殖えています。
しかし、金利が物価の上昇に負けていると、
明らかに買えるものの数が減っているのがわかりますか?
金利や利回り < 物価上昇率
銀行預金や保険で運用していると、このような状況になってしまうのです。
実質金利の計算方法(銀行金利の場合)
さきほどは、
表にしてみましたが、実は計算する方法があります。
実質金利を求めるには、「名目金利−物価上昇率(インフレ率)」
名目金利−物価上昇率=「プラス」、資産が殖えていく運用
名目金利−物価上昇率=「0」、資産は減らないが、殖えない運用
名目金利−物価上昇率=「マイナス」、資産が減っていく運用
物価上昇2%を目指している日本ですが、
国際通貨基金(IMF)によると2019年の物価上昇率(インフレ率)は、0.98%となっています。
大手銀行の定期預金が、0.01%。
物価上昇率(インフレ率)が0.98%。わかりにくいので、1%とします。
名目金利−物価上昇率(インフレ率)=実質金利なので、
0.01%(定期預金の名目金利)−1%(物価上昇率)=「-0.99%」が実質金利となります。
実質金利がマイナスとなったので、この金融商品での資産形成では、
お金が殖えていかないことが言えます。
つまり、
大手銀行の定期預金で資産形成や運用をしても、お金は殖えていかないということになります。
実質金利の計算(保険の利回りの場合)
個人年金保険
円建てだと、年間の利回りが0.2~0.4%。
外貨建てだと、年間の利回りが1~1.8%。
(外貨の方が利回りが高いが、外貨から円に戻す時の為替によって、利回りが低くなるリスクがある)
円建ては、
0.4%(名目金利)-1%(物価上昇率)=「-0.6%」の実質金利となり、
円建ての個人年金保険だと、資産が減っていることがわかる。
外貨建ては、
1%(名目金利)-1%(物価上昇率)=「0」の実質金利なので、
資産は減らないが、殖えていかないことが言える。
1.8%(名目金利)-1%(物価上昇率)=「0.8%」の実質金利で、
殖えていると言えます。

しかし、長い目でみると、2%の物価上昇を目指してどんどん物価上昇させていくので、
たとえ、外貨建てで年間1.8%の利回りがだせても、資産が殖えていく可能性は、低いです。
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その為、正しい資産形成は、まず預金と保険での運用をしないことである。
まとめ
- ホームページ等に載っている金利は、名目金利である。
- お金が殖えているか判断するには、実質金利を見る。
- 経済成長する為に、政府は物価を毎年2%上昇を目標としている。
- お金を殖やすには、2%以上の金利や利回りが必要。
このあたりの知識がついてくると、
資産形成において、預金や保険での運用では、損をする選択となることがわかります。
よって、資産形成するにあたって、運用先の選択肢から定期預金や保険を外すべきです。
そして、
2%以上の金利や利回りをだせる金融商品は、一体どのようなものなのかと、
思考をステップアップできると、とても良いです。
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